skr09052009-08-24

約半年ぶりに実家に帰る。家の近くまでは何度か行ったのだけど、ドアを開けたのも、家の人に会ったのも久しぶりで、久しぶりなのが初めてで、云々。近況報告をして、必要な荷物をすいかの段ボールに詰めて、ごはんを食べる。虫籠の中では、春先にはまだ土の中で眠っていたカブトムシがぎいぎいと動いていた。彼と一緒に来れば良かったのにと言われて、本当にそうだなあと思う。ひとりで帰ったのは私個人のごくつまらない煩悶によるもので、彼だって「俺はいつだって行くよ」と言ってくれたのだから、気に病むことはなかったのだ。マリッジブルーの片鱗を味わったような心持ち。

22:58、地元の駅に帰り着くと彼と自転車が待っていた。買い込んだ牛乳やパンや煙草を左手に、段ボールに入りきらなくて鞄に詰めた荷物を右手に、やじろべえのように後ろに乗る帰り道。鼻先をくすぐる彼の匂いは私達の家の匂いで、…ふるさとは遠きにありて思ふもの。もう横浜のあの家は、故郷になってしまったのだと思った。ここには吹かない潮風でぱさついた髪に気付いて、少し、かなしくなった。